ハーブの効果と効能

フェンネルはむくみ防止に効果的?副作用やおすすめの摂取方法も解説!

フェンネルは、地中海沿岸が原産のセリ科のハーブです。古代ギリシャ・ローマ時代から長い間、食用・薬用として使われてきました。フェンネルは、葉、茎、種子と上から下まで全て利用でき、たくさんの効果や効能を持っている優秀なハーブの一つです。

フェンネルという呼び名は、「干し草」や「牧場」を意味するラテン語の「foenum」に由来します。中国では「カイコウ(茴香)」と呼ばれ、魚の香りを回復することから名づけられました。日本では、中国から渡来した際に「茴香」を音読みして、「ウイキョウ」と呼んだことに由来しています。

今回の記事では、

  • フェンネルの効果
  • フェンネルの副作用や摂取する際の注意点
  • フェンネルのおすすめの摂取方法

の3点を中心に、フェンネルについての基本情報からお楽しみまでを分かりやすく解説しています。

また、フェンネルの美味しい食べ方ハーブティーのおすすめの淹れ方など、お役立ち情報も紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

ハーブについてさらに詳しく知りたい方は、ハーブを使った最強ファンスティングを定期的に実践しているハーブマニアが書いているこちらの記事を、参考にしてみてください。

>>最強のハーブファスティングとは?

フェンネルの基本情報

名称  フェンネル
英名  Fennel
学名  Foeniculum vulgare
和名  茴香(ウイキョウ)
分類  セリ科・ウイキョウ属
原産地  地中海沿岸・アジア
成分  トランスアネトール、フェンコン、フラボノイド(ルチン)など
使用部位  葉、茎、種子
代表的な作用  消化酵素の分泌を高める、利尿・発汗作用、殺菌・消毒作用など
禁忌、注意事項  
妊娠中、授乳中は摂取を控えましょう。
てんかんの方は摂取を避けましょう。
セリ科アレルギーがある方は摂取を避けましょう。
利用法    サラダや香辛料、スパイス
ハーブティー

フェンネルは、甘さの中にもスパイシーさを感じられる個性的な香りが特徴のハーブです。葉、茎、種子、全てを利用することができます。

中でも葉の部分は特に香りが強く、主に香草野菜として料理の風味づけに活用されています。また、種はスパイシーな香りがするので、カレーのスパイスやお菓子の香りづけ等に使われます。茎は野菜として食用にされることが多いです。

フェンネルは、日当たりさえよければどこでも育つと言われるほど育てやすく、草丈1~2mにもなる大型のハーブです。鳥の羽のように広がった糸状の細い葉と傘を開いたような形に咲く黄色い小花が特徴です。

フェンネルの効果・効能・作用を解説

フェンネルには、胃の健康を保つ効果、ダイエット効果やむくみ防止効果、口臭予防や風邪予防の効果など、様々な効果・効能があります。

  • 胃の健康を保つ効果
  • ダイエット効果・むくみ防止効果
  • 殺菌・消毒作用

これらについて順に説明していきます。

効果①:胃の健康を保つ効果

まず、胃の健康を保つ効果についてです。

フェンネルには消化酵素の分泌を高め、消化を促す作用があります。そのため、消化不良や胃もたれの予防、改善などをサポートしてくれます。また、胃腸にたまったガスを除いてくれる作用があるので、お腹の張りや便秘、下痢にも効果が期待できます。

腹痛や不快感の緩和薬、過敏性腸症候群や大腸炎といった治療薬にも用いられています。

効果②:ダイエット効果・むくみ防止効果

次に、ダイエット効果・むくみ予防効果についてです。

フェンネルには、カリウムをはじめとしたミネラルがたくさん含まれています。そのため、発汗・利尿作用があり、余分な水分や老廃物を排出してくれます。そして、むくみの防止につながります。

また、腸内環境を整えたり、栄養の吸収率を上げてくれたりするので、新陳代謝の促進につながり、無理のない自然なダイエットが可能になります。

さらに、フェンネルのような強い香りには食欲を抑える作用があるので、食前に摂取すると、食べ過ぎ防止になるという嬉しい効果もあります。

効果③:殺菌・消毒作用

最後は、殺菌・消毒作用についてです。

フェンネルは、殺菌・消毒作用を持っています。そのため、口腔内を健康に保つ効果や、口臭を防ぐ効果があります。インド料理屋さんに置いてある「ムクワス」というカラフルなスナックの中にも、砂糖でコーティングされたフェンネルシードが入っており、口臭予防に役立っています。

また、咳を鎮めて痰を取り除いたり、体の免疫力を高めたりする効果もあります。そのため風邪の予防風邪のひき始めの症状を緩和させる効能が期待できます。

その他の効果・作用

フェンネルにはさらに、

  • 目の疲れや視力を回復する
  • 冷え性や貧血を改善する
  • 女性特有の不調を改善する

という効果もあります。

フェンネルには、眼精疲労に効果・効能があり、古来から視力回復を目的として目薬に使用されていました。

また、血液の循環を良好にしたり血液を作り出すサポート力や血管を強くしたりする作用もあります。そのため、貧血改善や血圧を安定させる効果が期待できます。

さらに、女性ホルモンと同じ働きをするエストロゲンが含まれているため、女性特有の不調にも効果的です。ホルモンの不足により起こる更年期障害の症状改善生理不順や生理痛の改善にも効果があります。

フェンネルの副作用や注意事項、禁忌など

フェンネルには、子宮を刺激する作用があるので、妊娠中の摂取は控えましょう。また、授乳中も、赤ちゃんが中枢神経系の障害を引き起こしたという事例があるので、控えましょう。

てんかんの方も、摂取後にてんかんを起こしたという事例があるので、摂取は避けましょう。

セリ科の植物なので、セリ科アレルギーの方も注意が必要です。

フェンネルのハーブとしての使い方

食べる

フェンネルは、葉、茎、種子全てを食べることができます。それぞれの部分に合ったおすすめの食べ方を紹介します。

<葉>

葉は、香りが強い部分です。そのままサラダに入れたり、香りと彩りをプラスするために料理に添えたりして使うことができます。細かく刻んで和え物やパスタ、スープの具材に加えると、甘くさわやかな風味をプラスすることができますよ。

また、生臭さを消すために、香辛料として魚料理に使うのもおすすめです。魚を焼くときに一緒に乗せて焼くと、臭みがなくなるだけでなく、香りと風味が移ってとても爽やかな味に仕上がりますよ。

<鱗茎(りんけい)>

フェンネルの根元のふっくらしたところを、鱗茎(りんけい)といいます。イタリアではフィノッキオと呼ばれています。

生で食べるとセロリのような食感と苦みがあります。火を通すと甘みが出るので、苦手な人でも食べやすくなりますよ。スープ煮込み料理として使うのがおすすめです。

<茎>

鱗茎の上の太い茎の部分も食べられます。見ためはセロリのようですが、香りも味のクセも、セロリほど強くありません。筋があるので、薄い小口切りにするか、筋を取ってから使うのをおすすめします。

サラダにしたり、煮込み料理に加えたりすると美味しいですよ。

<種>

フェンネルの種は、フェンネルシードと呼ばれ、スーパーでも購入できます。独特な強く甘い香りがして、ピリッとした風味も感じられます。

フェンネルシードは、スパイスとして使うのがおすすめです。魚料理に使えば、魚の臭いや脂っぽさを消し、香りを引き立ててくれます。肉料理では、お肉に揉みこむ事で、お肉全体が良い香りになり、脂がくどく感じなくなるので美味しくいただけますよ。

また、そのまま食後に食べることで、口臭予防になります。ガムや飴のかわりに食べれば、栄養も摂れて一石二鳥ですね。

ハーブティー

フェンネルは、種と葉をハーブティーにしていただくことができます。それぞれの美味しい飲み方を紹介します。

<フェンネルシードを使って>

1 フェンネルシード小さじ1~2杯を入れる。
2 熱湯を注ぎ、10分程度蒸らしてできあがり。

そのままでも美味しいですが、レモングラスなど爽やかなハーブとブレンドすると飲みやすくなります。また、はちみつを入れるのもおすすめです。

<葉を使って>

【フレッシュハーブの場合】

1 ひとつかみ摘みとって、よく洗う。
2 そのままポットに入れて、ハーブがひたひたに浸かるくらいにお湯を注ぐ。
3 フタをして、3~5分蒸らしてできあがり。

【ドライハーブの場合】

1 300ccの水にティースプーン2杯くらいを目安にしてポットに入れる。
2 フタをして3分ほど蒸らしてできあがり。

フェンネルのよくある質問

子どもは、摂取しても大丈夫?

注意が必要です。料理に含まれている程度であれば問題ありませんが、過剰に摂取するとホルモンバランスや成長に影響が出てしまう可能性があります。

副作用はあるの?

過剰摂取した場合、皮膚アレルギーや喘息発作、光過敏症、子宮や卵巣、乳房など女性特有の病気の悪化といった副作用があります。ハーブティーや料理に使用する程度であれば問題ありません。

フェンネルの栽培方法は?

発芽温度は15度~20度で、春に種をまくと、夏に花を咲かせます。春から夏にかけて、葉や茎を収穫することができます。水やりは乾燥したらあげるくらいがちょうどよいです。

フェンネルのとディルの違いは?

フェンネルとディルは見た目がよく似ています。一般的に、フェンネルは甘い香り、ディルはほろ苦くツンとした香りと言われています。また、ディルの実はフェンネルと比べて幅広の羽部分があります。

まとめと研究情報

今回は、フェンネルについて解説しました。

フェンネルには、胃の健康を保つ効果、ダイエットやむくみ防止効果、口臭予防や風邪予防効果、視力回復効果、冷え性や貧血を改善する効果、女性特有の不調を改善する効果など、たくさんの効能があることが分かりました。

また、フェンネルは、葉、茎、種子全ての部分を摂取できる優秀なハーブです。それぞれの部分に合ったおすすめの食べ方も紹介しました。

フェンネルに興味がある方は、ぜひ参考にしてくださいね。

おさらい

【効果】

  • 胃の健康を保つ効果
  • ダイエットやむくみ防止効果
  • 口臭予防や風邪予防効果
  • 目の疲れや視力を回復する効果
  • 冷え性や貧血を改善する効果
  • 女性特有の不調を改善する効果

【注意点・副作用・禁忌】

  • 妊娠中、授乳中の摂取は控えましょう。
  • てんかんの方は摂取を避けましょう。
  • セリ科のアレルギーの方は摂取を避けましょう。

【おすすめの取り方】

  • 葉をサラダや香辛料として
  • 茎を煮込み料理にして
  • 種をスパイスとして
  • 葉や種をハーブティーとして

研究情報(エビデンス)

下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。

乳児疝痛におけるフェンネル(Foeniculum Vulgare)種子油エマルジョンの効果:無作為化プラセボ対照試験

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12868253/

要約

この研究は、フェンネル種子油エマルジョンの有効性を調査する試験が行われました。乳児疝痛を持つ12人の乳児が対象で、フェンネルオイルエマルジョンを使用した群では疝痛が有意に減少し、プラセボ群よりも効果的でした。副作用は報告されませんでした。結果として、フェンネルシードオイルエマルジョンが乳児疝痛の緩和に有効である可能性を示唆しています。

クルクミンとフェンネルのエッセンシャルオイルは、過敏性腸症候群の患者の症状と生活の質を改善しする

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27308645/

要約

の研究では、過敏性腸症候群(IBS)の治療において、クルクミンとフェンネル精油(CU-FEO)の組み合わせが有用であるかどうかを評価しました。70人のIBS患者にCU-FEOまたはプラセボを30日間投与し、CU-FEO群ではIBS症状が有意に改善し、無症状患者の割合が高かったことが示されました。また、生活の質も改善されました。この研究は、CU-FEOがIBS患者に対して有効で安全であることを示唆しています。

ハーブには想像以上のパワーがあります!

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