シナモンは昔から香辛料や漢方薬として用いられてきました。そして、シナモンは、幹や枝の樹皮をナイフで細長い形状にはぎ取り、コルク層を除去して乾燥させたものが用いられています。
今回の記事では、
- ハーブとしてのシナモンの効果や副作用を知りたい
- シナモンの美味しい摂り方を知りたい
- 効果のエビデンスや実例などを知りたい
これらについて、まとめています。
また、シナモンについて、他の人が持った疑問や回答なども解説しているので、是非読んでみてください。
なお、ハーブについてもっと詳しく知りたい方は、下記のサイトも、是非参照してみて下さい。
シナモンは、清涼感のある甘辛い香りを持つため、スパイスの王様と呼ばれています。主にお菓子や紅茶などに利用されてます。こんなシナモンをぜひ試してみてください。
シナモンの基本情報
名称 | シナモン |
英名 | cinnamon |
学名 | Cinnamomum verum |
和名 | 肉桂(にっき・にっけい)、桂皮(けいひ) |
分類 | クスノキ科シナモン属 |
原産地 | インド、マレーシア、スリランカ |
主要成分 (100g当たり) | カルシウム1200mg、カリウム550mg、マグネシウム87mg、リン50mg、鉄7.1mg、亜鉛0.9mg、銅0.49mg、ビタミンB1 0.08mg、ビタミンB2 0.14mg、ナイアシン1.3mg |
使用部位 | 樹皮 |
代表的効能 | 血行を促進する効果 抗酸化作用 消化を促進する効果 |
利用法 | アップルシナモンティー シナモンミルクティー シナモントースト |
シナモンは、世界最古のスパイスといわれています。紀元前4000年頃からエジプトでミイラを保存するための防腐剤として使われていました。
古代ギリシャでは、シナモンの甘美な香りから愛をかきたてるとされ、王侯貴族の間では深い愛情を示す最高の贈り物とされてきました。
日本では縁日のお菓子などに利用されており「ニッキ」の名前で親しまれてきました。
シナモンは甘い料理に用いることで、より一層甘みが強まるという効果を持っています。例えば、ケーキやパイ、ドーナッツなどに用いると良いでしょう。
また、シナモンは砂糖と一緒に使用することで、より甘みを感じられるため、紅茶やコーヒーにも利用されています。
シナモンの効果・効能を解説
ここでは、シナモンの代表的な効果について説明していきます。
シナモンの効果・効能としては、①血行を促進する効果、②抗酸化作用、③消化を促進する効果、などが挙げられます。以下、順に解説していきます。
効果①:血行を促進する効果
シナモンには血行を促進する効果があります。血行促進に役立つのは、シナモンに含まれるシンナムアルデヒドという成分です。
シンナムアルデヒドは、毛細血管を強化する物質Tie2を活性化させます。Tie2が活性化すると、身体の末端にまで血流が届くようになり、全身の血行が促進されます。
効果②:抗酸化作用
シナモンには強い抗酸化作用があります。ここで抗酸化作用とは、身体を老化から守る作用です。抗酸化作用を発揮するのは、シナモンに含まれるプロアントシアニジンです。
そしてシナモンは、他のスパイスと比べても抗酸化作用が優れていると言われています。
効果③:消化を促進する効果
シナモンには消化を促進する効果があります。消化促進に役立つのは、シナモンに含まれる経皮アルデヒドという物質です。
経皮アルデヒドとはシナモンの香り成分です。経皮アルデヒドを摂取すると、胃酸の分泌が増えるため、消化が促進されます。
その他の効果・作用
シナモンに含まれるカリウムには、利尿作用があります。
また、糖尿病の患者を対象にした比較試験によって、シナモン投与による血糖コントロール改善作用が報告されています。
シナモンの注意事項や副作用など
通常量の食事でシナモン入りの食品や飲み物を摂取する分には問題ありません。
シナモンには、セイロンシナモンとカシアから作られるニ種類がありますが、このうちカシアから作られるものにはクマリンという成分が多く含まれています。そしてクマリンは多量に摂取すると肝臓の障害につながってしまう恐れがあります。
シナモンの使い方
シナモンは、自宅で手軽に摂取できます。ここでは簡単にできるアップルシナモンティーやシナモンミルクティーの淹れ方や、シナモントーストの作り方について紹介します。
シナモンティーとして飲む
シナモンティーとは、紅茶にシナモンを加えたものです。
ストレートでそのまま頂くこともできますが、アップルシナモンティーは甘みのあるリンゴと濃厚で香り高いシナモンの相性が良く、老若男女におすすめです。
また、シナモンミルクティーは、コクのあるミルクと芳醇なシナモンの組み合わせが、ほっとするような豊かな香りを感じられ、おすすめです。
シナモントーストとして食べる
シナモンシュガーをふりかけ、焼くだけで完成です。簡単でおいしいシナモントーストの作り方を紹介します。シナモンの甘い香りは、コーヒーやミルクティーなどの飲み物とも相性抜群です。
シナモンのよくある質問
ニッキはシナモンと同じクスノキ科の常緑樹が原料の香辛料です。この2つの大きな違いは、原料の産地や使用する部分です。シナモンは「セイロンニッケイ」や「カシア」という東南アジアや中国産のものから、ニッキは日本産の「ニッケイ」から作られます。また、シナモンが「樹皮」から作られるのに対し、ニッキは木の「根」から作られるのも特徴で、ニッキの方が比較的香りと辛味が強いそうです。
シナモンには「クマリン」という成分が含まれています。 この成分は抗酸化作用を持ち健康効果がありますが、肝毒性もあり多量に摂取すると肝臓障害を患う可能性があります。
60人の2型糖尿病患者が協力し、パキスタンで行われた臨床試験で、シナモンを摂取した人では、血糖値や中性脂肪値が2〜3割、総コレステロール値が1〜2割下がることがわかりました。
まとめと研究情報
今回はシナモンについて解説しました。
シナモンは、血行を促進する効果、抗酸化作用、消化を促進する効果など、たくさんの効能のあるハーブです。
この記事では、自宅でも簡単にできるアップルシナモンティーやシナモンミルクティーの淹れ方やシナモントーストの作り方についても紹介しました。
興味のある方はぜひ記事を参考にしてみてください。
おさらい
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
db/dbマウスの血糖値に対するシナモン抽出物の抗糖尿病効果
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16213119/
この研究では、シナモン抽出物がII型糖尿病モデル動物で抗糖尿病効果を示しています。血糖低下、血清インスリン・HDLコレステロールを増加し、トリグリセリド・総コレステロールの低下、α-グリコシダーゼ活性減少させます。インスリン感受性改善と糖質吸収遅延の可能性を示唆する結果となっています。
シナモン樹皮油が精巣の抗酸化値、アポトーシス生殖細胞および精子の質に及ぼす影響
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22862806/
この研究では、シナモン樹皮油(CBO)が抗酸化、抗炎症、抗糖尿病特性を持つことが示されています。CBOの成分が成体ラットの精巣に影響し、抗酸化酵素増加、アポトーシス低下、精子質改善、運動性増加することが分かりました。精子無力症改善にも効果的であることも示唆されています。
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