スペアミントは穏やかな清涼感とほのかな甘みを感じるハーブです。ミントにはたくさんの種類があり、スペアミントのほかにペパーミントも人気があります。ペパーミントの香り成分はメントールで、すっきりしているのに対し、スペアミントの香り成分はカルボンで、穏やかな香りが特徴です。
今回の記事では、
- ハーブとしてのスペアミントの効果や副作用を知りたい
- スペアミントの美味しい摂り方を知りたい
- 効果のエビデンスや実例などを知りたい
これらについて、まとめています。
また、スペアミントについて、他の人が持った疑問や回答なども解説しているので、是非読んでみてください。
なお、ハーブについてもっと詳しく知りたい方は、下記のサイトも、是非参照してみて下さい。
スペアミントは、デザートの香り付けやハーブティーによく用いられています。また、葉を刻んでドレッシングにしたり、香りを活かしてサラダにしたりと、広く利用されています。ぜひ一度お試しください。
スペアミントの基本情報
名称 | スペアミント |
英名 | spearmint |
学名 | Mentha spicata |
和名 | 緑薄荷(みどりはっか) |
分類 | シソ科ハッカ属 |
原産地 | ヨーロッパの中部から地中海沿岸 |
主要成分 (100g当たり) | カリウム 458 mg、ナトリウム 30 mg、カルシウム199mg、マグネシウム63mg、ビタミンC 13.3mg、鉄11.9mg、ビタミンB6 0.2mg |
使用部位 | 葉、茎 |
代表的効能 | 脳の認知機能を高める効果 記憶力を高める効果 リラックス効果 |
利用法 | スペアミントティー レモネード |
スペアミント(spearmint)のスペア(spear)とは「槍(やり)」の意味で、葉が尖っていて似ていることが語源といわれています。
スペアミントは、ペパーミントに比べて甘味が強く、爽快感や香りも柔らかいため、お菓子やお酒などの食品や化粧品の香料として広く利用されています。
欧米やアラブ、ベトナムなどでは、スペアミントを乾燥させた葉を香辛料として、ラムやマトンなどの羊肉料理に利用しています。
スペアミントの効果・効能を解説
ここでは、スペアミントの代表的な効果について説明していきます。
スペアミントの効果・効能としては、①脳の認知機能を高める効果、②記憶力を高める効果、③リラックス効果、などが挙げられます。以下、順に解説していきます。
効果①:脳の認知機能を高める効果
脳の認知機能の低下を感じている方に対して、ロスマリン酸を多く含むスペアミント抽出物を摂取してもらうことで、注意力や集中力が高まることが、臨床試験により分かっています。
効果②:記憶力を高める効果
ロスマリン酸を多く含むスペアミント抽出物を摂取し続けることで、加齢とともに低下する記憶力が改善されることが、臨床試験により分かっています。
効果③:リラックス効果
スペアミントに含まれる香り成分は、精神を安定させるリラックス効果や頭痛を改善する効果があります。スペアミントをハーブティーとして飲用すると、鎮静作用によりイライラしているときや不安なときに心をしずめてリフレッシュさせてくれます。
その他の効果・作用
スペアミント抽出物を継続的に摂取すると、睡眠の質を高めることが臨床試験の結果から分かっています。
また、スペアミントに含まれるカルボンには、胃の働きを活発に保つ働きがあるため、消化液の分泌を促して、胃を健康に保つ効果があります。
さらに、スペアミントには、殺菌・防腐効果があり、口臭の原因となる口の中の細菌を除去することで、口臭を予防します。
スペアミントの注意事項や副作用など
スペアミントはケトン類を多く含むため、流産、早産を招く恐れがあります。妊娠、授乳中の使用は、医師に相談して慎重に行なってください。
また、スペアミントには刺激作用があるため、肌荒れを起こすこともあります。精油を肌へ直接使用する際には、指示された使用方法を正しく守って下さい。
スペアミントの使い方
スペアミントは、自宅で手軽に摂取できます。ここでは簡単にできるスペアミントティーの淹れ方や、レモネードの作り方について紹介します。
スペアミントティーとして飲む
スペアミントのハーブティーは世界中で愛用されていて、アルコールの禁止されているアラブ諸国ではアルコールの代わりに飲用されてきました。スペアミントのハーブティーには鎮静効果やリラックス効果の他、消化促進や風邪の初期症状にも効果があるといわれています。
レモネードとして飲む
レモンにたっぷりのスペアミントとはちみつを加えた、爽やかなレモネードです。夏の定番と言っていいかも知れません。スペアミントの清涼感が加わり、夏バテした体を元気にしてくれます。
スペアミントのよくある質問
ペパーミントは、ウォーターミントとスペアミントの交配種で、メントールを主とするクールな香りを持ちます。見た目には、葉がスペアミントより尖っているのが特徴です。
一方、スペアミントは、香りの主成分がカルボンで、穏やかで清涼感の中に甘みのある風味を持ちます。ペパーミントと比べてやわらかい香りが印象的かと思います。見た目には、葉がペパーミントより丸みを帯びているのが特徴です。
スペアミントは、ペパーミントよりも匂いがマイルドで刺激が少ないのが特徴です。清涼感はありながらも、透明感と甘さを併せ持った香りです。
江戸時代にオランダ船から日本に伝えられたことから、オランダハッカとも呼ばれています。
まとめと研究情報
今回はスペアミントについて解説しました。
スペアミントは、脳の認知機能を高める効果、記憶力を高める効果、リラックス効果など、たくさんの効能のあるハーブです。
この記事では、自宅でも簡単にできるスペアミントティーの淹れ方や、レモネードの作り方についても紹介しました。
興味のある方はぜひ記事を参考にしてみてください。
おさらい
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
スペアミント抽出物は、加齢に伴う記憶障害のある男性と女性の作業記憶を改善します
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29314866/
スペアミントの研究では、スペアミント抽出物が加齢性記憶障害患者の認知健康に有益な影響をもたらす可能性が示唆されました。加齢性記憶障害患者90人が対象で、30、900、または600 mg /日のスペアミント抽出物を45日間摂取したところ、900mg/日の摂取で、ワーキングメモリ質と空間ワーキングメモリ精度が改善、睡眠の質も向上し活力、気分、行動も改善しました。
ロスマリン酸を含むスペアミント抽出物は、認知症に関連するタンパク質のアミロイド線維形成を抑制します
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33202830/
アルツハイマー病やレビー小体型認知症などの神経性認知症にはアミロイドベータ、タウ、α-シヌクレインなどのタンパク質の異常な凝集が関与します。この研究では、スペアミント抽出物(SME)とその主成分であるロスマリン酸(RA)がこれらのアミロイド線維の形成を抑制する効果をin vitroで調査しました。SMEとRAはアミロイド線維の形成を抑え、RAは既存のアミロイド線維を分解することが示されました。これにより、中小企業やRAが神経性認知症の進行に関わるアミロイド線維の抑制に寄与する可能性が示唆されました。
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