ローズはヨーロッパやアジアを原産とする、バラ科バラ属の落葉低木です。ローズという名称はバラ科バラ属の総称です。その品種はとても豊富で、なんと2万種類から多ければ10万種類以上もあるといわれています。
ローズはケトル語の「rhod(赤色)」が語源とされ、バラの花の特徴的な赤い色に由来しています。また、和名のバラは、棘のある低木を意味する「いばら(茨)」が語源とされています。
今回の記事では、
- ローズの効果を知りたい
- ハーブとしてローズを摂取する際の注意点は?
- ローズのおすすめの摂取方法を知りたい
など、ローズについての基本情報からお楽しみまでをわかりやすく解説しています。
また、ローズのハーブティーの淹れ方や、ローズの優雅で上品な香りの楽しみ方についても紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
ハーブについてもっと詳しく知りたい方は、ハーブを使った最強ファスティングを定期的に実践しているハーブマニアが書いているこちらの記事を参考にしてみてください。
ローズの基本情報
名称 | ローズ |
英名 | rose |
学名 | Rosa gallica |
和名 | バラ |
分類 | バラ科バラ属 |
原産地 | ヨーロッパ、アジア |
成分 | ゲラニオール、ネロール、ビタミンC、ポリフェノール、ティーローズエレメント、フラボノイド、タンニン、ペクチン など |
使用部位 | 花 |
代表的な作用 | 美肌効果、鎮静作用、抗ストレス作用、女性ホルモンのバランスを整える作用、抗菌作用、抗うつ作用、抗炎症作用、強壮作用 など |
禁忌、注意事項 | 妊娠中・授乳中の方は摂り過ぎに注意しましょう。 |
利用法 | ハーブティー、スキンケア、アロマ、ポプリ など |
ローズの歴史は古く、その起源は7,000万年前~3,000万年前といわれています。「香りの女王」と呼ばれるローズは時代を超えて女性に愛され、古代エジプトの女王クレオパトラにも愛用されていました。
日本はローズの自生地としても有名です。野生のバラは「ワイルドローズ」と呼ばれ、日本国内には10種類以上あるといわれています。日本原産のバラの原種には、ノイバラ、テリハノイバラ、ハマナスの3種類あります。
ローズの効果・効能・作用を解説
ローズには、美肌効果、鎮静作用や抗ストレス作用、女性ホルモンのバランスを整える作用など、たくさんの効能があります。
- 美肌効果
- 鎮静・抗ストレス作用
- 女性ホルモンのバランスを整える作用
ここではローズの代表的な効能について説明します。
効果①:美肌効果
はじめに紹介する効能は美肌効果です。
成分として含まれる芳香成分のゲラニオールやネロールは、「美肌ホルモン」と呼ばれるエストロゲンの分泌を促します。コラーゲンの生成に作用するため、肌を保湿して乾燥から守ってくれます。
さらに、ローズには抗酸化物質であるビタミンCやポリフェノールも豊富に含まれるため、肌のアンチエイジングにも効果的です。
効果②:女性ホルモンのバランスを整える作用
次に紹介する作用は、女性ホルモンのバランスを整える作用です。
効果①で紹介したゲラニオールやネロールなどの芳香成分には、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌を効果的に促す働きがあります。女性ホルモンの乱れを整えることで、月経トラブルや更年期障害などといった女性特有の症状の緩和につながります。
効果③:リラックス効果
さいごに紹介する効能はリラックス効果です。
香気成分ティーローズエレメントの働きは、鎮静作用や抗ストレス作用です。ローズには豊富な品種がありますが、この成分はモダンローズに多く含まれるといわれています。ティー(紅茶)を思わせる上品で優雅な香りは精神面に働きかけ、ストレスから解放し癒してくれます。
モダンローズについては、「よくある質問」で解説していますので参考にしてみてくださいね。
その他の効果・作用
ローズには、香気成分を主とする代表的な3つの効果以外にも様々な効能や作用があります。ほかには、抗菌作用、抗うつ作用、抗炎症作用、強壮作用などの効果も期待できます。
ローズの副作用や注意事項、禁忌など
ローズは女性ホルモンに作用することから、妊娠中・授乳中の方は摂り過ぎに注意しましょう。
ローズのハーブとしての使い方
「香りの女王」とも呼ばれるローズは、優雅なバラの香気成分を摂取することがおすすめです。ここでは、ローズのハーブティーの淹れ方やアロマの楽しみ方を紹介します。
1 ハーブティー
ローズティーはさっぱりとした甘く上品な味わいです。ゆったりとした気分でハーブティーをいただけば、優雅なローズの香りを堪能できますよ。
【ローズ ハーブティーの淹れ方】
沸騰したお湯(カップ一杯分)に、ローズペタル(ティースプーン1杯~2杯分)を入れます。お好みにより3分〜5分ほど蒸らしてからいただきます。
ここで香り高いローズティーを淹れるポイントを紹介します。ローズティーは蒸らし過ぎるとせっかくの香りが蒸発し、またえぐみも感じやすくなります。そのため、抽出時間に配慮することで、さらに美味しいローズティーになりますよ。
2 アロマ
「香りの女王」の名を持つローズは、色々な用途で芳香成分を楽しめます。
エッセンシャルオイルを利用してお部屋のフレグランスとして使えば、ローズの上品で優雅な香りがお部屋いっぱいに広がります。またベッドルームにディフューザーを用意すれば、リラックス効果によって心地よい眠りにつけるでしょう。
それからバスタイムにもおすすめです。ローズの花びらをお湯に浮かべたり、湯船にエッセンシャルオイルを用いることで、バスルームに豊かな香りが広がりますよ。
ローズのよくある質問
野生のバラから誕生したオールドローズに対し、品種改良によって誕生した品種をモダンローズといいます。それぞれの特徴は開花の時期にあります。オールドローズは春に花を咲かせる一季咲き、一方でモダンローズは春から初冬まで開花する四季咲きです。
ローズティーには4種類あります。花びらの色によって区別されるローズレッドペダルとローズピンクペダル、さらに蕾を使用したローズレッドバッツとローズピンクバッツの大きく4つに分けられます。
ガーデニングにおけるローズと相性の良い植物としては、たとえばマリーゴールドはいかがでしょうか。マリーゴールドの香りは害虫を寄せ付けない効果があるため、ローズを病害虫から守ってくれます。また、一年草で丈夫な植物のため育てやすさも理由の一つです。
まとめと研究情報
今回はローズについて解説しました。
ローズには美肌効果、鎮静作用、抗ストレス作用、女性ホルモンのバランスを整える作用など、たくさんの身体に良い効能があることがわかりました。そして、自宅で簡単にできるローズ成分の摂取方法として、ハーブティーの楽しみ方や、アロマを使ったリラックス方法についても紹介しました。
ローズについて興味のある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
おさらい
【効果】
- 美肌効果
- 鎮静・抗ストレス作用
- 女性ホルモンのバランスを整える作用
【注意点・副作用・禁忌】
- 妊娠中・授乳中の方は摂り過ぎに注意しましょう。
【おすすめの摂取方法】
- ハーブティー
- アロマ
研究情報(エビデンス)
下記の研究データ、エビデンスを参考にさせて頂きました。
バラの花びらエキス(バラガリカ)は、肌の美白と抗肌のしわ効果を発揮する
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32609563/
バラガリカ花弁からの抽出物(RPE)はチロシナーゼ活性を減少させ、メラニン蓄積を抑制しました。臨床試験では、RPEを含む製剤が顔面皮膚の明るさを増強しました。この効果はMAPK活性化に関連しています。さらに、RPEはMMP-1を抑制し、皮膚線維芽細胞の抗しわ活性を示し、UV刺激によるMMP-1産生を阻害しました。総合的に、RPEは細胞内シグナル伝達を通じて美白と抗しわ効果を引き起こし、美白と抗しわ化粧品の有用性を裏付けています。
いくつかのバラ種のローズヒップの総ポリフェノール含量と抗酸化能力
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30081545/
この研究では、4つの異なるローズ種のローズヒップを比較し、総ポリフェノール含量と抗酸化能を測定しました。その結果、R. spinosissimaが最も高いフェノール含量と抗酸化能を持ち、他の種よりも顕著に優れていました。また、エタノール抽出物は水抽出物よりも高い抗酸化活性を示しました。ローズヒップの抗酸化特性は生育部位によって影響を受けました。この研究は、R. spinosissimaが天然抗酸化物質の信頼性のある供給源であり、植物育種活動に適していることを示唆しています。
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