アイブライトはヨーロッパ原産のハーブです。
学名(Euphrasia officinalis)は、ギリシャ神話の「三美神」の1人、喜びの女神エウプロシュネに由来して名づけられたと言われています。ボッティチェリやラファエロ、カノーヴァなど、多くの画家や彫刻のモチーフとしても使われています。
アイブライトの名前は「目が輝くように綺麗になる」ことに由来しています。和名は「コゴメグサ」と言い、小さい白い花が米粒を散らしたように見えることに由来しています。
アイブライトの基本情報
名称 | アイブライト |
英名 | Eye bright |
学名 | Euphrasia officinalis |
和名 | セイヨウコゴメグサ(ヤクヨウコゴメグサ) |
分類 | ゴマノハグサ科コゴメグサ属 |
原産地 | ヨーロッパ |
主要成分 | イリノイド配糖体(アウクビンなど)、リグナン、フラノボイド類(ケセルチン、アピゲニン、タンニンなど)ビタミン類、ミネラル類 |
使用部位 | 葉・茎・根 |
代表的効能 | 殺菌、抗炎症、抗アレルギー、粘膜強壮、収れん、血行促進 |
利用法 | ハーブティー、ハーブチンキ、湿布 |
アイブライトの効果・効能を解説
アイブライトはヨーロッパの自然療法において、目の健康を維持し、眼精疲労を防ぐためのハーブとして使われてきました。しかしながら、実際にアイブライトの服用と、目の健康維持との因果関係は証明されていません。
しかしながら、アルブライトにはビタミンやミネラル以外に、アウクビンなどのイリドイト配糖体、フラノボイド類(ケルセチン、アピゲニン、タンニンなど)の成分が含まれています。アウクビンやケルセチンは抗炎症化作用を持つと考えられており、充血、結膜炎、ものもらいなどの症状を緩和させる働きがあると考えられています。そしてフラノボイド類の摂取は、抗酸化作用による視機能低下や白内障・緑内障の予防につながるといわれています。
また、アイブライトには「ビタミンP」という成分も含まれています。これは実際にはビタミンではなく、ポリフェノールの一部で、抗炎症作用があるのではないかと言われています。抗炎症作用以外にも、マスト細胞(別名「肥満細胞」。炎症や免疫反応などの生体防御機構に重要な役割を持ち、アレルギーの原因ともなる細胞)を抑制する効果があると言われており、ヒスタミン生成・放出の抑制効果や、アレルギー物質であるロイコトエリンの生成を抑える働きがあることが報告されています。それにより、アイブライトについて、花粉症を始めとするアレルギー反応の軽減効果が期待されています。
アレルギー反応抑制効果については、ビタミンP以外にも、アイブライトに含まれている、イリドイド配糖体のアウクビンについて、動物実験で抗炎症作用が確認できたことが報告されており、その効果度は炎症の痛みを鎮静化させるインドメタシンと同等と言われています。さらに、アイブライトには上記成分と同様に抗炎症、抗アレルギー作用が期待されるタンニンも含まれているため、それら成分の複合効果も期待されています。
さらに、アイブライトに含まれているイリドイド配糖体やケルセチンは強い抗酸化作用を所持しており、さらにケセルチンについては悪玉コレステロールの低減や血圧降下作用が指摘されているため、老化防止や健康維持に役立つことが期待されています。
副作用や注意事項、禁忌など
アイブライトは「目によいハーブ」と言われており、ノンカフェインの天然成分であるため、人体への悪影響はほぼないとされています。しかし、洗顔などの外的使用は、効果が確認されておらず、衛生的でないためおすすめできません。また、妊娠中、授乳中、貧血気味の方は、アイブライトの過剰摂取は控えた方が良いようです。
さらに、アイブライトは血糖値に作用する可能性があり、糖尿病治療中の方、特にチトクロームP450系によって代謝される医薬品を服用されている方は、血糖値に影響が出る可能性があるため、使用を避けられることをおすすめします。
アイブライトティーの飲み方
アイブライトはハーブの一種であり、ハーブティーとして飲用されることが多いです。アイブライトには強い香りや苦みなどはなく、干し草のような香りがほのかにします。抽出時間を長く取り、ゆったり抽出するほど、アイブライト特有の渋みと香りを味わうことが出来ます。
アイブライトティーの淹れ方としては、アイブライトティー大さじ1に対し、200mmのお湯を入れ、そのまま5分ほど置いて抽出します。
これを1日3回、ゆったりリラックスして飲むといいでしょう。
また、アイブライト自体にはクセがないため、香りが強い他のハーブとブレンドするのもおすすめです。
例えば、ラベンダーとブレンドした場合、ラベンダーには鎮静効果があるため、目の疲れからくる来る頭痛の症状に効果的です。ラベンダーの量は、アイブライトより少ない方がいいでしょう。また、ビタミンCを多く含むローズヒップや、花粉症の効果を軽減し、爽やかな香りを持つ、ペパーミントとブレンドするのもおすすめできます。